無料通信アプリでおなじみのラインですが、決済サービスの一環として、プリペイド方式カードの「LINE Payカード」の発行を行っています。
プリペイドカードとクレジットカードでは様々な違いがありますが、今回は特に、LINE Payカードとクレジットカードの違いを、あらゆる観点から徹底比較した上で、それぞれのカードを持つのにおすすめの人も紹介したいと思います。
目次
申込資格
一般的なクレジットカードは、高校生を除く18歳以上でないと申し込めません。
ステータスの高いゴールドカード、プラチナカードになると、申込可能な年齢はさらに上がります。
「本人の継続安定収入」を申込条件としているクレジットカードの場合、本人に収入がない専業主婦は申し込めません。
LINE Payカードには申込資格がない
一方のLINE Payカードは、年齢制限も収入条件も一切ありません。
極端な話、無職の方やお子さんでも申し込めるカードなのです。
審査
一般的なクレジットカードには、審査が欠かせません。
プラチナカードやゴールドカードはもちろんのこと、審査通過率が高いと言われている楽天カードでさえ、「クレジットカードは借金をする」という性質から審査があります。
キャッシング枠を多く希望する、一度に複数のクレジットカードに申し込むなどすると、審査のハードルはさらに上がります。
クレジットカードの審査は、以下の3段階で行われるのが基本です。
- 申込内容の審査
- 信用情報の審査
- 在籍確認の審査
3については、審査を実施しないクレジットカードもありますが、1と2に関しては必ず行います。
仮に審査落ちすると、その情報は信用情報(個人のお金の借入を記録した情報)に記録されます。審査落ちから間もなく申し込むと、信用情報からその履歴がばれてしまいますので、審査落ちの可能性が高くなります。
審査については下記の記事にも詳しく書いてあります。
LINE Payカードには審査がない
一方のLINE Payカードは、申込条件もなければ審査もありません。
クレジットカードは「借金をして後日返済する」性質のカードですが、LINE Payカードは事前にチャージ(入金)した分しか使えないため、借金ではなく、審査の必要性がないからです。
国際ブランド
日本の一般的なクレジットカードでは、以下の5つの国際ブランドを搭載可能です。
- VISA
- マスターカード
- JCB
- ダイナースクラブ
- アメリカン・エキスプレス(アメックス)
日本ではあまり知られていませんが、ディスカバー、銀聯カードなども国際ブランドです。
通用率を重視するならVISAやマスターカードを持っておくべきですし、ステータスを重視するならダイナースやアメックスがいいでしょう。
※国際ブランドについて詳しくは下記の記事も参照してください。
一般的なクレジットカードは、自分のニーズに合った国際ブランドを選択可能です。
LINE PayカードはJCBのみ
一方のLINE Payカードは、カードデザインこそ複数から選べるものの、国際ブランドはJCBしかありません。
確かに、日本発の国際ブランドJCBは、日本国内で有数の通用率を誇りますが、こと海外ではJCBの通用率がさほど高くありません。
JCBとアメックスは加盟店の相互開放を行っていますが、それでも通用率はVISAやマスターカードよりも低いです。
ICチップ
現在、多くのクレジットカードにはICチップが搭載されています。
これまでのクレジットカードは、磁気ストライプによる決済が主流でした。
しかし、磁気ストライプによるクレジットカード決済には、以下のようなデメリットも指摘されています。
- 使っているうちに磁気が劣化する
- バッグの金具などに接触させると磁気が著しく弱くなる
- 専用機械によるスキミング被害
そこで、磁気ストライプのデメリットを解消したのがICチップです。
劣化は皆無で、スキミング被害も防げるセキュリティの高さが自慢のため、急速に普及が進んでいます。
海外の加盟店では、ICチップ付きのクレジットカードでないと決済できないところも少なくありません。
LINE PayカードにはICチップ未搭載
一方のLINE Payカードには、ICチップが搭載されていません。
希望してあとから搭載することもできません。
ポイント還元率
クレジットカードの利用金額に対して、一定割合のポイントを付与するクレジットカードが多いですが、ポイント還元率を重視するユーザーも少なくありません。
主なクレジットカードのポイント還元率は、以下の通りです。
カード名 | ポイント還元率 |
三井住友VISAクラシックカード | 0.5% |
JCB一般カード | 0.5% |
楽天カード | 1% |
Yahoo!JAPANカード | 1% |
リクルートカード | 1.2% |
REXカード | 1.25% |
DCカードジザイル | 1.5% |
1%を超えれば平均以上の還元率カードといえます。
LINE Payカードの還元率は最大2%
一方のLINE Payカードのポイント還元率は、最大で2%です。
以前は無条件で一律2%だったのですが、2018年からはLINEの関連サービスの利用状況に応じて、0~2%に還元率が変動します。
利用可能商品
一般的なクレジットカードは、加盟店でのショッピングであればほとんどの商品をクレジットカードで購入できます。
ただし、加盟店でのお買物でも金券類はクレジットカードで購入できません。
それは、クレジットカードで金券類を購入できてしまうと、カードの利用規約で禁止されている現金化ができてしまうからです。
また、金券類の利益率が低いため、カード決済によりカード会社に払う手数料を引かれると、加盟店の利益がほとんどなくなるからというのも理由の一つです。
LINE Payカードでは利用できない商品がある
一方のLINE Payカードは、JCB加盟店であっても利用できない商品がクレジットカードより多いです。
LINE Payカードで支払うことができないのは、主に以下のようなものです。
- 高速道路料金
- ガソリンスタンド
- ホテル
- レンタカー
- 保険料
- 公共料金
デポジット(保証金)が必要な支払いや継続的なサービスの支払いについては、LINE Payカードが使えない可能性があるのです。
限度額
一般的なクレジットカードには、限度額があります。
クレジットカードの限度額は、「年収や生活維持費などをもとに計算した支払可能見込額の90%」を上限と定めています。
アメックスやダイナースは「一律の限度額を設けない」と記載されていますが、「優れた属性の人にはどんどん限度額をアップする」という意味で、限度額がないわけではありません。
限度額を超えて利用することはできませんので、使いすぎるといざという時に利用できません。
クレジットカードの限度額は利用代金を返済することによって空きが生まれますので、必ずしも設定された限度額を100%使い切れるわけではありません。
※限度額については下記の記事も併せてご確認ください。
LINE Payカードは残高上限額100万円
一方のLINE Payカードの残高上限額は100万円です。
仮に、100万円チャージしておいたLINE Payカードで100万円の商品を購入し、残高がゼロになっても、すぐに改めて100万円をチャージすれば、再び100万円の商品を購入できます。
つまり、100万円未満の商品を購入し、使いきった都度満額チャージできる環境にあれば、実質限度額はないということになるのです。
クレジットカードとLINE Payカード、こんな人におすすめ
ここまで、様々な観点からクレジットカードとLINE Payカードを比較しました。
最後に、クレジットカードとLINE Payカード、どんな人におすすめなのかを箇条書きで説明しましょう。
クレジットカードがおすすめの人
- 海外で利用する(国際ブランドが豊富、現地ATMを使った現地通貨キャッシングも可能)
- 毎月の支払いに利用したい(携帯電話料金や公共料金の支払いにも利用可能)
- セキュリティを重視する(ICチップ搭載、本人認証サービスに対応)
LINE Payカードがおすすめの人
- クレジットカードを持てない(年齢制限、審査がない)
- 日本国内でしか使わない(JCBブランド搭載)
- LINE関連サービスをよく利用する(ポイント還元率2%の可能性が高くなる)
- カードで高額決済をしたい(100万円未満の商品ならば実質限度額なし)
まとめ
LINE Payカードはプリペイド形式のため、クレジットカードとは大きく異なっている部分が少なからず存在します。
上手に使えば還元率2%となる一方で、普通のクレジットカードの方が高い還元率となることもあるため、どちらが良いかは慎重に選んだ方が良さそうです。
審査がない点などは魅力的なので、クレジットカードを何らかの理由で持てない人はポイント狙いで持ってみても良いのではないでしょうか。